キリムはおしゃれなカーペット?素材や色の特徴など、キリムについて知っておきたいこと

投稿日: 2020年7月3日

カーペットを探しているとよく目にする「キリム」。おしゃれなデザインのアイテムも多くて気になりますよね。中近東エリアの織物ということはなんとなくわかりますが、ペルシャ絨毯(じゅうたん)やギャッベとは何が違うのでしょうか? 今回は、キリムの特徴やほかの織物との違い、主なサイズなどについてご紹介します。

キリム

キリムは、ペルシャ絨毯やギャッベとは違う?

キリムの民族色あふれるデザインや風合いを見れば、古くから伝わってきた伝統的な織物であろうということは想像がつきます。まずは、キリムがどこの地域で、いつ頃から織られていた、どのような織物なのかを見ていきましょう。

キリムは平織りのカーペット

キリムは中近東のイラン・トルコ・アフガニスタンを主な産地とする、遊牧民によって織られてきた平織り(つづれ織り)の絨毯・カーペットの一種です。その歴史はとても古く、1500年以上にわたって織られてきたといいます。
キリムという名前自体はトルコがルーツですが、広い地域にわたって使われていることもあり、キリムの産地によってペルシャキリム(ギリムとも呼ばれる)、トルコキリムなどと呼び分けられることもあります。
ペルシャキリムは広い意味ではイランの名産である「ペルシャ絨毯」の一種にあたります。ただし、キリムのデザインや仕様などは、いわゆるペルシャ絨毯として一般的にイメージされるものや、同じくペルシャ絨毯の一種である「ギャッベ」とはまったく違っています。
ペルシャ絨毯やギャッベとは大きく違うキリムの特徴のひとつは、平織りのために毛足がなく、厚みが薄いことです。それもあって、床に敷くカーペットやラグとしての用途だけでなく、タペストリーやソファーカバーなど、比較的薄い布製品がよく使われるような用途も多くなっています。
キリム ソファー前に敷いた様子

オールドキリムは現在(ニューキリム)と織り方が違う高級品

キリムは1500年以上の歴史を持っていますが、昔と現在ではそれぞれ違う織り方で作られていることも特徴のひとつです。
数十年~100年前に作られた「オールドキリム」は、現在織られているニューキリムと織り方が違っていること、また希少であることから高級品とされています。
それというのもオールドキリムは糸から手で紡ぎ、手織りで大変な手間をかけて作られていたのです。一方ニューキリムは機械織りが主流で、比較的入手しやすい品が多く見られます。

キリムとギャッベの違い

キリムとギャッベには、先に紹介した毛足や厚みといった特長だけでなく、織り方や素材、主流となっているサイズなど、さまざまな違いがあります。図案を使わずに織る手法や、デザインには共通する部分も見られますが、素朴な雰囲気のデザインが多いギャッベに対して、キリムの方がよりハッキリとしたデザインが多いようです。詳しくは下記の記事も参考にしてみてください。

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キリムの素材やデザインの特徴は?

キリムは織り方だけでなく、素材やデザインに関しても、近隣の地域に伝わっている織物類とは違う特徴を持っています。ここでは、素材・織り方・デザインに分けて、キリムの特徴を詳しく見ていきましょう。
キリムのイメージ

キリムに使われる素材

いわゆるペルシャ絨毯やギャッベの素材には主に羊毛が用いられますが、キリムには羊毛だけでなく、ヤギの毛やコットンなども使われています。移動を繰り返しながら暮らす遊牧民たちが、訪れた先々で手に入る素材を生かして織っていったものだからです。

キリムの織り方

キリムはトルコの言葉で「平織物」の総称とされます。平織りは、経糸と横糸を交互にくぐらせます。さらに基本的なキリム織りでは、経糸が見えなくなるまで横糸を詰めていきます。ほかにもキリムの織り方は、平織りの中でも立体的な模様が出るジジム織りやズリ織り、斜めにも糸を折り込むスマック織りなど遊牧民ごとにさまざまなバリエーションが伝えられており、織り方によって模様などの特徴も違っています。

キリムのデザイン

昔ながらのキリムは草木染めで染められていましたが、現在は化学染料で鮮やかな色をつけたキリムも多くなっています。先に紹介した通り、織り方などで模様やデザインも違ってきます。また、平織りの特徴として、裏表がなく、両面が同じデザインです。
ギャッベの織り手としても知られるイランの遊牧民カシュガイ族のキリムは、カラフルな多色使いの幾何学模様が特徴です。同じイラン北部のアゼルバイジャン地方ではシルクのキリムもよく織られていて、魚や動物、花模様のモチーフが見られます。現在のトルクメニスタンからウズベキスタンのエリアに暮らしていたトルクメン族のキリムには、部族や家の紋章、草花や動物などのモチーフが用いられています。シルジャン地方のキリムはとても細かく織られた連続柄が特徴で、これは極細の織り糸によって表現されています。


キリムの主なサイズは?

畳であれば1畳、2畳、寝具であればシングルサイズ、ダブルサイズと、床などに敷いて使うアイテムには、共通のサイズが設けられているものも少なくありません。キリムにも、同じように決まったサイズが何種類かあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

そもそもは決まったサイズがなかった

キリムは、枕や袋、礼拝用の敷物、ソファーカバーなど、その使い道も幅広かったことから、用途に合わせてさまざまなサイズが織られてきました。織り機の仕様によってサイズが決まっているギャッベのように、「一般的なサイズ」というものはなかったのです。その中でも、遊牧民が織るキリムは幅1m以下で作られてきましたが、それも幅は決まっているものの、長さは用途に応じてさまざまだといいます。

現在主流となっているキリムのサイズは?

もともと決まったサイズがないキリムとはいえ、主流となっているサイズはいくつかあります。現在よく見られるキリムのサイズをご紹介しましょう。

現在主流となっているサイズ(すべてcm)
・ヤストク(90×60前後)
ヤストク(ヤストック)とは「枕」、「クッション」という意味で、もともとは袋状になっていたといいます。遊牧民たちはヤストクサイズのキリムを、その名の通り枕やクッションとして使ったり、荷物を入れる袋として使ったりと、さまざまな用途に応用したのだそうです。現在は袋状になっていないものも多く、敷物やタペストリーなどとして使われています。
・セッジャーデ(170×110前後)
セッジャーデ(セッチャーデ、セジャーデ)はイスラム教における「礼拝用の敷物」という意味ですが、礼拝以外にもさまざまな用途に使われます。キリムの主な織り手である女性の手に合わせたとされ、キリムの中でも最もスタンダードなサイズで、多く織られていることから織り方やデザインのバリエーションもほかのサイズより豊富だといわれています。日本の住宅などでは、ラグとして使うのにもピッタリのサイズです。
・カルヨラ(220×150前後)
縦横は逆ですが、ダブルサイズベッド(140×195)より少し同じくらいの大きさで、遊牧民のテントの中で敷物に使われたり、荷物や家具などのカバーとして使われたりしたサイズです。日本でも同じように、カーペットやソファーカバーなどに用いられていることが多いようです。


まとめ

重厚なイメージが強い中近東のカーペットですが、その中でもキリムは毛足がなく厚みも薄いことから、よりさまざまな用途に用いられています。広い地域で織られているためデザインも地域によって多種多彩で、サイズも小さいものから大きなものまであるのが特徴です。そのため、現代のインテリアにも合わせやすい、フレキシブルなアイテムといえるでしょう。部屋の雰囲気を変えたい方には、おすすめです。



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