これから梅雨に入ると多湿に、梅雨が明けてもじりじりとした暑さが続く夏がやってきます。
アートギャッベをはじめとしたウール素材のじゅうたんは、一見すると日本の夏に適さないように思われがちです。
しかしギャッベの故郷である中東イラン(ペルシャ)の夏はどうかというと、湿度は低いですが昼間は40℃、夜は10℃まで冷え込むという厳しい環境です。
特にギャッベを生活道具にしているカシュガイ族をはじめとした遊牧民の生活には冷暖房の設備はありません。
なぜそのような環境でウール素材のギャッベが大昔から使われてきたのか。
日本の夏場の環境と比較しながらご紹介していきます。
日本とイランで共通の夏の暑さ
夏が暑いという感覚は日本もイランも変わりません。陽射しの強さは太陽の光が地表に当たる角度によって変わるそうなのです。
地球儀で見てみるとほぼ同緯度上に位置している日本とイランでは陽射しの強さはほぼ同じだそうです。
日本の最高気温を調べてみると埼玉県での41.1℃が過去に観測された最高気温でした。
イランで過去に観測された最高気温を調べてみたら74℃という記録があるそうですが、平均的な夏場の最高気温は40℃前後ということです。
単純に気温を比較するとそこまで大きな違いはないのかもしれません。
ただ、私がイランに行ったときの体感では日本よりも陽射しが強く感じました。
日本の茹だるような暑さではなく、直火で焼かれているような感覚です。
これは湿度の違いが関係しています。
日本とイランでは大違いの夏の湿度
調べてみると日本の夏は平均湿度が75%を超えているのに対して、イランは年間を通して実質0%で一定でした。年間を通してほぼ雨の降らない気候はとても過酷な環境ですが、湿度が低いので日陰に入ると涼しく感じます。
遊牧民のテントの中に入るとギャッベが敷き詰められていますが、暑苦しさは全く感じませんでした。
1日の気温の変化が激しいイランの生活では昼間の暑さよりも夜の冷え込みへの対策の方が重要なのかもしれません。
ウールは保温性が高いので冷え込む夜には最適です。
湿度の高い日本の夏でもウールじゅうたんは心地いいか?
では日本の場合はどうでしょうか。ウールや珪藻土、無垢材などをはじめとした天然素材は「呼吸」をしていると聞いたことはありませんか?
空気中の湿度を吸収し、乾いた空気に変換して放出する性質のことをわかりやすく「呼吸」と表現することがよくあります。
特にウールは調湿効果が高く、そのおかげで高温多湿の日本の夏でもサラッとした肌触りです。
ウールの調湿効果についてはこちらのブログにくわしく書かれているのでぜひご覧ください。
ギャッベ絨毯の臭い 気になりませんか?【実験あり】
ウール自体には調湿作用がありますが、それだけで日本の夏を心地よく過ごせるわけではありません。
さらに重要なのは脂分のしっかりと含まれているウールかどうかという点です。
アートギャッベは羊の脂分を多く残した糸を使って織り上げるじゅうたんです。
そのおかげでしっとりとした艶やかな肌触りとなり、素肌で触れてもチクチクしたり、暑苦しく感じることが少ないという特徴があります。
「ウールの調湿作用」と「羊の脂分」この両方を兼ね備えているからこそ、日本の夏でも使いやすいウールじゅうたん。アートギャッベが出来上がります。
これから全国各地で夏のアートギャッベ展が開催されていきます。
一年中使うじゅうたんだからこそ、今の時期にぜひご体感ください。